レンタルサーバーはオンプレミスのサーバーと異なり、サーバーを提供する事業者がサーバーの運用・管理を行うサービスです。しかし、サーバー自体の管理は提供者が請け負うものの、サーバー上で稼働するWebサイトなどのコンテンツは利用者の管理範囲であることに注意しなければなりません。
Webサイトを安定稼働させるには、継続的な監視が必要です。本記事では、Webサイト監視の必要性や監視すべき内容、おすすめのサーバーサービスについて解説します。
目次
レンタルサーバーでも監視は必要?
レンタルサーバーは、サーバーの提供事業者が構築したサーバーをユーザーへ貸し出すサービスです。次のようなメリットがあります。
- 専門知識や構築作業は不要で、すぐに利用を開始できる
- コストパフォーマンスに優れている
- メンテナンスや障害対応が不要
レンタルサーバーの利用において、ハードウェアやOSなどの運用・管理は提供事業者が請け負うため、基本的に利用者の作業は発生しません。しかし、サーバー上で運用するWebサイトなどのコンテンツは、レンタルサーバーであっても利用者の管理範囲となるため注意が必要です。
レンタルサーバーにWebサイト監視が必要な理由
監視とは、システムを安定稼働させるために、死活やパフォーマンスなどを定期的にチェックし続けることです。そして異常を検知したら自動的にアラートを通知する仕組みを指します。
例えばWebサイトの監視を実施していなければ、「Webサイトがダウンしていたが気づかず、利用者からの問い合わせで発覚した」といった事態にもなりかねません。
レンタルサーバーにおいては、サーバー自体の監視は提供者が行うため「レンタルサーバーは管理が不要」という認識で自社での監視作業はすべて不要と考える利用者も多いです。しかし、先述したようにサーバー上のコンテンツは利用者の管理範囲となるため、Webサイトを安定的に稼働させるには自社でWebサイト監視を行う必要があります。
Webサイトを監視しないことによるリスク
もしWebサイト監視を実施しない場合、次のようなリスクが想定されます。
ビジネス機会の損失
基本的にWebサイトは24時間365日稼働することが当たり前になっています。監視をしていなければ、Webサイトがダウンした際に検知や対処が遅れ、利用できない時間が増える可能性があります。その分ビジネスチャンスを逃してしまうことになり、売上の低下にもつながりかねません。
また、サイトの不具合やダウンによるサイトへのアクセス数低下は検索エンジンも検知し、サイトの評価を下げるため検索順位が低下する懸念もあります。
イメージ・信用の低下
監視を行っていない場合、パフォーマンスの低下や不具合を検知することも困難です。たとえばユーザがWebサイトにアクセスした際に表示速度が遅い、コンテンツが表示されないなどの不具合が生じればユーザビリティが低下します。これによりWebサイトだけでなくサービス自体のイメージや信用まで低下するかもしれません。こうした問題を事前に回避するためにも、Webサイト監視を行う必要があります。
サイバー攻撃の被害拡大
Webサイトはインターネット上に公開されているため、外部からの攻撃対象になりやすいです。そのため、サイバー攻撃による異変を検知するためにも監視が求められます。もし不正アクセスやデータ改ざんなどの検知が遅れた場合、被害が拡大する可能性が高くなります。
Webサイト監視で実施すべき内容
Webサイト監視には、次のような監視項目があります。
・HTTPステータスコード
HTTPステータスコードとは、Webサーバーの処理結果を表す3桁の数字のことです。ステータスコードを確認することで、サイトの状態を把握できます。HTTPステータスコードの概要は以下の通りです。
ステータスコード | 状態 | 内容 |
100番台 | 正常 | Informational(情報):リクエストを受け入れ可能で、処理されている状態。通常HTTPプロトコルによるリクエストとレスポンスは非常に短時間で行われるため、意識することはほとんどない。 |
200番台 | 正常 | Success(成功):リクエストが正常に処理できた状態。 |
300番台 | 正常 | Redirection(リダイレクト):リクエストを完了させるために追加的な処理が必要な状態。具体的には、コンテンツの移動やリニューアルなどで特定のページから強制的に移動させる(リダイレクトを行う)ために設定される。 |
400番台 | エラー | Client Error(クライアントエラー):ユーザ側の操作や処理に不備があった場合のエラー。最も有名なものは404 Not Found(指定したページが存在しない)が挙げられる。 |
500番台 | エラー | Server Error(サーバエラー):サーバー側に起因するエラー。500 Internal Server Error(何らかのサーバーエラー)などが有名。 |
・応答時間
ユーザがリクエストを送り、レスポンスが返ってくるまでの時間を計測します。たとえばWebサイトにアクセスして、Webサイトが表示されるまでの時間などです。この時間が長くかかる場合はユーザーの不満につながるため、改善が求められます。また、タイムアウトする場合はサイトがダウンしている可能性があります。
・コンテンツの完全性
表示されるべきコンテンツが正しくページ内に表示されるか確認します。HTTPのステータスコードが正常でも、コンテンツの読み込みに時間がかかりすぎて表示されないといった可能性があるからです。
また外部からの攻撃などによってページが改ざんされていないかも、可能であれば確認したいところです。ただし改ざん検知は一般的な監視ツールでは行えないことも多いため、改ざん検知ツールを使用してファイルの変更履歴などをチェックする必要があります。
Web改ざん検知について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
Web改ざん検知とは? Webサイトの改ざんに対処する方法とメリットを解説 | ベアメタルブログ
・ドメインやSSL証明書の有効期限
ドメインやSSL証明書の更新を忘れて有効期限が切れてしまうと、Webサイトにアクセスできなくなってしまいます。ドメインやSSL証明書は有効期限前に更新のお知らせが来ることがほとんどですが、担当者の退職などで引き継ぎがされていないとウッカリ見過ごされてしまう危険性もあるので注意が必要です。
SSL証明書の有効期限の確認と更新方法についてはこちらの記事をご参照ください。
SSL証明書を正しく更新するには? 有効期限切れを防ぐための対策 | ベアメタルブログ
ベアメタルクラウドは監視も任せられるサーバーサービス
レンタルサーバーを利用していても、Webサイトを安定稼働させるためにはWebサイト監視が必要不可欠です。ただし、Webサイト監視を人の手で行うのは現実的ではないため、監視ツールを導入したり監視システムを構築したりするのが一般的です。しかし、これにはコストやノウハウ、作業の手間などが課題となる場合が多くあります。
そこでおすすめなのが、リンクが提供するサーバーサービス「ベアメタルクラウド」です。ベアメタルクラウドは、物理サーバーをとクラウドサーバーをハイブリッドで利用できるサービスです。物理サーバーの処理能力や安定性、クラウドサーバーのスピードや手軽さといった両方のメリットを得ることができ、用途に応じて使い分けたり、アクセス数の増大などに合わせたスケールアップなども容易です。
オプションとして監視・障害対応・運用代行・SSL証明書代行作業までセットでアウトソースすることもできます。サーバーのレンタルだけでなく、監視・運用までも任せられる安心のサービスです。Webサイトの安定稼働のため、監視・運用についてお考えの場合はぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
レンタルサーバーは、自社でサーバーを構築する場合と違い、運用・管理の手間がかからないことがメリットです。しかし、サーバー上のWebサイトなどのコンテンツは利用者が管理しなければなりません。Webサイト監視は、Webサイトが安定的に稼働しているか監視することによってビジネス機会の損失や企業イメージの低下などを防ぎます。ただし実現するには、手間やコストがネックとなる場合があります。
リンク ベアメタルクラウドは、サーバーのレンタルに加えて監視・障害対応・運用・SSL証明書代行作業までセットで提供することが可能です。社内のリソースやコストを抑えつつ、安全なWebサイト運営を目指すために、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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