レンタルサーバーを乗り換えるには? 移行手順や注意点を解説

2024.01.29

現在利用しているレンタルサーバーから別のサーバーへ乗り換える際には、さまざまな作業が必要になります。もし移行作業に失敗してしまうと、トラブルが発生し深刻な事態にもなりかねません。 本記事ではサーバー移行を実施する際に検討することや具体的な移行手順、注意点などについて詳しく解説します。サーバー移行を検討されている方はぜひ参考にしてください。

レンタルサーバーを移行する際に検討すること

サーバーを運用する中で「アクセスが集中し、より高いパフォーマンスが必要になった」「原因不明のトラブルが頻発する」など、さまざまな理由でサーバー移行を検討するケースがあります。その際に、まず考慮すべき点について解説します。

移行先

まずは移行先を検討します。選択肢としては、別の企業が提供するレンタルサーバー・VPS・物理サーバー(専用サーバー)・クラウドサーバーなどがあります。

それぞれの特徴は以下のとおりです。

レンタルサーバー

一般的に共用サーバーのことを指し、1つのOSとその上のミドルウェア(Webサーバーなど)を複数のユーザーで共用する利用形態です。安価で初期構築・運用が不要なことがメリットですが、カスタマイズの自由度が低いことや、他の利用者の使用状況によってパフォーマンスの影響を受けるデメリットがあります。

VPS(Virtual Private Server)

物理サーバー上に構築した仮想サーバーを、ユーザーから見ると1台の仮想サーバーを専有して利用できるようにしたものです。ユーザーは割り当てられた仮想サーバーの管理者権限を持つため、カスタマイズ性の高さと安定したパフォーマンスを発揮できることがメリットです。一方で、レンタルサーバーに比べるとある程度の専門知識や運用コストが必要になります。

物理サーバー(専用サーバー)

ユーザーが物理サーバー1台を丸ごと専有する利用形態です。サーバーを完全に専有するためカスタマイズ性が高く、他のユーザーの影響を受けません。また他の選択肢と比較して、仮想化に伴う処理や負荷がないために高いパフォーマンスを発揮できます。デメリットとしては、サーバー構築・運用の専門知識や労力が必要になること、コストが高くなることがあります。

クラウドサーバー

VPSと同様に仮想サーバーを専有する利用形態です。VPSは一般的に1台ごとの契約になりますが、クラウドサーバーは1契約の中で複数のサーバーを自由に構築でき、後からスペックを変更することもできます。可用性や拡張性が高いことがメリットです。しかし基本的に従量課金となるため、高いパフォーマンスを求めるとコストが高くなりがちなこと、毎月のコストを固定化できないことはデメリットになるかもしれません。

これら各サーバーサービスの特徴を比較し、自社に合った移行先を選択しましょう。

移行方法

次に、移行方法を検討します。サーバーの移行方法には、専門の外部業者に委託するパターンと、自社で移行作業を行うパターンの2つがあります。

たとえば移行先にレンタルサーバーを選択した場合、サーバー構築の作業は必要ありません。しかし他の選択肢ではサーバーの初期構築が必要な可能性が高いです。移行先と作業内容を確認し、適した方法を選択しましょう。

外部業者に委託する場合、移行作業を代行してもらうことで時間や手間を削減でき、サービス品質が保証されますが、作業費用が発生します。一方、自社のリソースで移行作業を行う場合は作業費用は発生しませんが、時間と手間が必要です。また、作業ミスによる業務影響を防ぐには専門知識を持つ人材やノウハウが求められるでしょう。

サーバー移行の手順

では、サーバー移行作業の具体的な手順について解説します。

① 事前確認・移行先サーバーの申し込み

まずは現在利用しているサーバーが抱える課題を解決するために、必要な条件を移行先サーバーが満たしているか確認します。たとえば機能やスペック、サポート体制、料金などです。

また、移行時にはメールやWebサイトが止まらないように新旧サーバーを並行稼働させる期間が必要になります。そのため、並行稼働期間を確実に確保できるよう新旧サーバー両方で契約内容の確認をしましょう。問題がなければ、移行先サーバーへの申し込みを行います。

② 旧サーバーのバックアップの取得


新しいサーバーへ移行するにはサイトのデータを移行先にアップロードする必要があります。そのため、まずは旧サーバー上のデータのバックアップを取得します。

③ 移行先サーバーの環境構築

移行先サーバーの契約が完了したら、移行するデータやサービスをスムーズに稼働させるための設定を行います。旧サーバーの環境を新サーバーへ再現するように設定をするイメージです。たとえばWebデータをアップロードするためのFTPアカウントの作成、データをインポートするためのデータベースの構築、メールアカウントの設定などが必要です。

④ データのアップロード

事前にバックアップを取得した旧サーバーのデータを、ツールなどを使用して移行先サーバーへアップロードします。事前に必要ファイル・不要ファイルをきちんと選別した上でアップロードしましょう。

⑤ DNSサーバーの切り替え

データの移行が完了したら、DNSの切り替えを行います。DNS(ドメインネームシステム)とは、インターネット上でサーバーのIPアドレスとドメイン名を結びつけて管理するためのシステムです。

移行前は旧サーバーへ振り向ける設定がされているため、これを移転先サーバーへ振り向けるように切り替えます。

DNSネームサーバーの設定を変更した際の反映には、世界中のDNSに情報が伝搬・浸透するために数日かかると説明されていることが多いですが、正しい手順を踏めば短時間で行うことが可能です。
ただし、ネームサーバーの管理は既存の事業者のままなのか、ネームサーバーも同様に事業者を切り替えるのかによっても手順は異なってくるため、移行方法に合わせて準備を行うようにしましょう。

参考:JPRS「DNS浸透の都市伝説を斬る」https://jprs.jp/tech/material/iw2011-lunch-L1-01.pdf

⑥ 旧サーバーの解約

DNSの切り替えが完了し、新サーバーの正常稼働が確認できたら旧サーバーの解約手続きを行います。

サーバー移行時の注意点

サーバー移行を行う際に注意すべきポイントは以下のとおりです。

SSL証明書の前提条件を確認する

現行WebサイトをSSL化している場合、SSL証明書の種類や環境を確認しておきましょう。認証局で取得した有償のSSL証明書であれば、移行元サーバーから秘密鍵をエクスポートでき、かつ移行先に秘密鍵のインポートが可能であれば、新しい環境でも取得済みのSSL証明書を使用できます。そうでない場合は移行後の新Webサーバーで新たにSSL化の作業が必要になります。

その場合には新サーバーでの運用開始時までにSSL証明書を取得しておきましょう。また、SSL証明書が発行されるには一定の期間が必要なため、早めに申請するのがおすすめです。

ユーザーへの事前アナウンス

サーバー移行作業はなるべくユーザーに影響が出ないように行いますが、万が一のトラブルでWebサイトやメールが停止する可能性もゼロではありません。混乱を避けるために、事前に移行作業日時をユーザーへアナウンスしておきましょう。

サーバー移行先はベアメタルクラウドがおすすめ

サーバー移行を検討する場合には、スペックやセキュリティ、サポート体制など何らかの課題があるはずです。たくさんの選択肢の中から、自社に適したサービスを選ぶのは難しい作業でしょう。そこで一つの選択肢となるのが、ベアメタルクラウドです。

ベアメタルクラウドとは、物理サーバーをクラウドのようにオンデマンド利用できるサーバーサービスです。コントロールパネルからオンデマンドで物理サーバーを作成・複製・削除することができます。これにより、物理サーバーの「高い処理能力」と「安定性」といったメリットに加え、仮想サーバーの「スピード」と「手軽さ」といったメリットも併せ持つことが特長です。

サーバースペックに関しては、1コアの仮想サーバから2CPUのハイスペックな物理サーバなどの幅広い選択肢があるため、用途に応じて使い分けたり、アクセス数の増大などに合わせたスケールアップなども容易です。また、運用開始後は問題が生じた際に迅速な対応ができるよう、エンジニアが24時間365日体制でメール・電話でのサポートを行います。さらにSSL証明書の取得代行や更新作業をワンストップで行うSSL証明書マネージドサービスや、総合セキュリティ対策サービスなども提供するために、セキュリティ面でも安心なサーバー運用を実現できます。

サーバー初期構築のサポートや、移行作業を支援するオプションなども用意しているため、サーバーの移行をお考えの場合はぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

現在使用しているサーバーに課題を抱えている場合、サーバー移行が効果的です。しかし、適切な移行先の選定には悩んでしまうケースが多いのではないでしょうか。
ベアメタルクラウドは、クラウドサービスのような手軽さで高スペックな物理サーバーを利用できるサービスです。高いセキュリティと24時間365日のサポート体制で、安定稼働を実現できます。ぜひサーバー移行先の候補として、ベアメタルクラウドを検討してみてください。

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