メールリレーで回避するメール配信の落とし穴

2018.04.11

メールの開封率が高くても成果が上がらない理由

メールマーケティングの指標として、多くのマーケターが注視しているのが開封率です。これは配信したメールを対象者がクリックして開いたかどうかを表した数値であり、通常はHTMLメールに組み込まれたWebビーコンを使って測定します。メールを開いて内容を読んでもらえなければ、当然メールマーケティングの効果も生まれないため、マーケターが開封率に注目するのは当然でしょう。ただ開封率が高くても、そもそもの開封数が少なければ思うような成果を得られないのではないでしょうか。ここでポイントとなるのが到達率です。

そもそも開封率は「開封数÷(メール送信数-未達数)」で算出されます。ポイントとなるのは未達数で、この数値が多ければ分母が大きくなるため、開封率も高い値となります。ただ未達数が多い(=到達率が低い)ということは、それだけ多くの人にメールが届いていないということであり、何らかの対策を講じなければなりません。

メール配信の仕組み

インターネットの世界では、送信したメールが相手のメールボックスに必ず届くという保証はありません。特に昨今ではスパムメールや迷惑メールの除去を目的とするさまざまな仕組みがあり、それによって相手のメールボックスに届く前に破棄されてしまうこともあります。特にGmailをはじめとするメールサービス、あるいはNTTドコモやau、ソフトバンクモバイルといった携帯電話キャリアでは、スパムメール対策に力を入れており、自社のメールサーバを使ってメールマーケティングのメールを送信すると、スパムメールと判断されてフィルタリングされてしまうといったケースが少なくありません。

先日の公開したブログ記事で記載したとおり、携帯電話キャリアやISP事業者は、IPレピュテーションのスコアをベースにフィルタリングをするかどうかを判断しています。そのため、自社のIPアドレスが過去にエラーメールが多くなっていたり、何らかの理由でIPアドレスがブラックリストに入ってしまったなどの理由でレピュテーションスコアが低くなってしまうとメールの到達率は上がりません。こういった状況に陥るとIPアドレスを変更するか、メールリレーなどのサービスを利用することで到達率を改善することになります。前者は、新しいIPアドレスから配信しますので、改めてIPレピュテーションのスコアを上げる必要がありますが、ゼロからメールの到達率を改善するまでにはかなりの時間を要することになり現実的ではありません。

 

確実に相手にメールを届けたい場面で利用されるリレーメールサービス

メールマーケティングの成果が上がらない原因がこの到達率だった場合、開封率とはまったく異なる対策を講じなければなりません。その具体的な対策として、積極的に採用を検討したいのが「メールリレーサービス」です。これはメール配信基盤を企業などに提供するサービスであり、メールマーケティングのための大量メール配信のほか、会員登録の完了メールや予約確認メールなど、確実に相手に届けたい場面で利用されます。

昨今のメールサービスでは、同一のIPアドレスから大量のメールが送信されると、スパムを送信しているサーバだと判断され、そこから送られてくるメールを遮断する仕組みを利用しています。企業のメールサーバの多くは同一のIPアドレスからメールを配信するため、この仕組みによってフィルタリングされる可能性が高まります。しかし、たとえばリンクが提供する「ベアメール」の場合、複数のIPアドレスからメールを送信します。これによってスパムだと誤って判断されるリスクを低減し、メールの到達率を高めているわけです。

メールリレーの仕組み

もしメールマーケティングの成果が思うように上がらないのであれば、開封率だけでなく到達率にも着目し、本当にメールが届いているのかを確認すべきでしょう。

ベアメールはこちらからアクセスできます。↓ベアメール

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